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1. 留学先、留学時期について
ベトナムのハノイ貿易大学(以下FTUと略する)に2024年7月末から12月末まで約半年間留学生活を送りました。思えば、大学2年の3月頃に金沢大学主催の短期海外研修のひとつのファーストステッププログラムinタイに参加したこと、そこでベトナムコーヒーに出会ったことが大きな転機でした。練乳の入った甘く特徴的なコーヒーに惹かれた一方で、サプライチェーン上で生産農家への利益還元が低いという現状を知り、その構造と解決策を考察したいと思いベトナムでの長期留学を決意しました。ベトナムの提携大学の中でもFTUは、経済分野に特化した全英語の授業という点とヨーロッパ圏からの留学生が多いことが自身の英語力を高める上で魅力的に感じ応募しました。
2. 留学前の準備
FTUより手続きの連絡が順次来るため、その手順に従えば問題ないです。まずビザに関しては、不備なく書類と必要な現金を持参することを強くお勧めします。自分は、写真を準備できていなかったために、45日以内の観光ビザで入国したため、一度出国する必要がありました。また、住居については、FTUから提供されたHousing Listを参考にし、Facebook経由で複数回内見を行いましたが、慣れない環境での手配は大変でした。そこで、他大学から参加していた日本人学生が利用していた日本人向けアパートを扱う現地不動産を通じて契約する方法も負担を減らす一つの選択肢だと思います。
3. 留学中に取り組んでよかったことと、理由
研究テーマの『コーヒーのサプライチェーン、持続可能性』で南部のコーヒー農園を直接訪問したことに加えて、ベトナム北部を一人でバイクツーリングしたり、帰国前には正月を利用してカンボジア、マレーシア、台湾も訪れ、異なる文化や価値観に触れることができました。これにより、自分の常識がいかに限定的であるかを実感し、また、南北に長いベトナムならではの食文化、気候、生活様式の違いにも触れ、ベトナムという国とその人々のバイタリティに強く魅了されました。さらに、日本を外から捉える貴重な経験も得られ、視野が広がりました。
4. 留学中の苦労、それもどのように乗り越えたか
最初の1か月が衣食住において一番苦労した時期でした。日本と異なり、水道水が硬水のため意識的に飲料水を買っていましたが、暑さもあり冷えたものを飲みすぎたことでの腹痛が多かった気がします。特に8月は、珈琲屋、飲食店、スーパーの飲料などすべてのものが日本より格段に冷たいです。あまりに冷たすぎておなかを壊していたと思います。加えて、暑さと湿気ゆえの蚊が非常に多く、蚊よけスプレー、虫刺され薬系は必須なので、ドラッグストアで躊躇うことなく買うことを勧めます。
また、言語に関してはベトナム語で友人と日常会話を行うことを最終ゴールに学習を進めていました。というのも、多くのベトナム人学生は高校卒業までにSpeakingを含めた英語力が非常に高い生徒が多く、彼らと会話を重ねることが英語を上達させながらベトナム語の単語も覚えていける効果的な方法だと感じたからです。旅先で、現地ベトナム人らと会話をする上でも英語よりベトナム語の方が彼らとの距離を少しでも減らせて会話ができると考え、自宅でのベトナム語学習を進めていましたが、まだまだ流暢とは言えないため、これからも課題となりそうです。
5. これから留学経験をどのように生かしていくか(卒業後の進路)
大学卒業後は、渡航前の就職活動でご縁をいただいていた鉄鋼の大手専門商社で勤めます。ベトナムを含む東南アジア、ヨーロッパなどの世界中と取引がある会社なため、ビジネスをする中でいろんな価値観、商習慣への理解を深め、多角的な考えができる人間として成長していきたいと考えています。
6. 留学してよかったこと
これまで全く縁のなかったベトナムで、自分自身とじっくり向き合う時間が取れたことが今の自分の行動原理に良い影響を与えてくれたと感じます。自分が将来何をしたいのか、一人の人間として何を実現したいのかを多くの価値観と出会う中で考える貴重な留学生活となりました。
7. 後輩へのメッセージ
初めての長期留学には多くの不安がつきものです。しかし、自分が本当にやりたいことを考え、決断した結果が、私にとってはベトナムでのコーヒーの持続可能性でした。留学初日から多くのハプニングがあり、体調を崩して寝込んだり、スマホを海に落として新しいものを購入するなど、さまざまな経験をしましたが、これらの出来事がすべて貴重な学びと成長に繋がっています。目標を決めて一歩一歩進んでいくことを心から応援しています。頑張ってください!