タイ カセサート大学

2024年度 / アジア <ベトナム>

掲載日:2025年6月4日

カセサート大学

O.K

(人間社会学域 国際学類 4年)

体験報告

  • ●動機&留学先の決定
     Sawat dii-kha✿
     私は4年生の夏、2024年8月から約5カ月間タイの「カセサート大学」に留学しました。
     3年生の夏に短期留学で初めて訪れたタイでの温かい方々の人柄や「タイ」という国の在り方に魅了されたことがきっかけで、もう一度タイへ赴き長期留学に挑戦したいという想いが芽生え、派遣留学を志しました。
     派遣校の選択はファクトシートやウェブサイト、先輩方の留学体験記を参考にした上で仲の良いタイの友人から各大学の特徴や周辺環境に関する情報をいただき、首都バンコクの中でも農学が有名で自然が多く、中心地から少し離れ落ち着いた環境下で過ごせる「カセサート大学(KU)」に留学を決めました。

    ●留学前の準備
     留学準備で特に大変に感じたことは「VISAの取得」と「ワクチン接種」です。
     まず「VISAの取得」に関しては、大使館に提出する必要書類のひとつである「相手大学の受け入れ許可書原本」の準備に時間がかかりました。
     許可書は「受け入れ許可」が出た後に発行していただけるのですが、私が相手大学さんから受け入れ許可の連絡をいただいたのは6月で留学を2か月後に控えていました。
     また原本郵送のお願い後に「受け入れ許可書」内の記載誤りが見つかり、何度も確認のメッセージなども送ったのですが相手大学さんから修正&再郵送のご返答をいただくまで2週間ほど時間がかかりました。
     何とか留学3週間前に書類をいただき大使館に向かうことになった経験から、これから留学に行かれる方で「許可書」提出が必要な場合はPDF版でいただいた許可書の記載内容(名前や留学期間など)を念のため入念に確認されることをお勧めしたいです。
     
     次に「ワクチン接種」はウェブサイトで必要なものを調べ、病院の方とも相談し「狂犬病」「A型肝炎」「B型肝炎」「腸チフス」「日本脳炎」の5種類を予約しました。
     定められた期間間隔で計3回打つ必要があるものもあったため、残りの準備期間と来院回数を考慮し1週間ごとに3種類ずつ打っていただき1か月の間で全て接種しました。種類によって接種完了までの回数や接種間隔が定まっていることから、時間に余裕をもって接種できた方が安心なように感じました。

    ●緑がいっぱいなカセサート大学の魅力①
     KUに留学して身近に感じたことは「人とのつながりの多さ」です。学内寮にはスタディルームやキッチンなどの共用スペースが多くあり、留学生の皆から日々他国のお料理を教えてもらったり、広場で一緒にバドミントンをしたりしていました。さらに寮の外に出ると一本道を挟んで他の正規生寮などもずらりと並んでいるため、バスに乗るときや屋台でご飯を買う際に出会ったタイの生徒さんたちとも仲良くなることができました。
     また私が所属していた「Thai Language for Foreigner (TLF)」は中国やラオスなど近隣諸国からの正規留学生と共に「タイの歴史や文化に触れながら日々タイ語力の向上を目指す学部」でした。 
     日本語や中国語が話せるタイ人生徒さん方もチューターとして同じ授業に参加しており、授業後にクラスの皆でお昼ご飯を食べたり、放課後にお出かけすることも多かったです。先生方も友好的であたたかく、休憩時間にタイの果物やお菓子を体験させてくださったり、お誕生日を皆でお祝いしたり、学部の皆で他県に旅行したりもしました。

    ●緑がいっぱいなカセサート大学の魅力②
     KUでは1年を通して「季節の歴史的イベント」が豊富です。✿
     11月には「ロイクラトンフェスティバル(灯篭祭り)」、2月には「カセットフェア(農業祭)」など学内外問わず現地の方々も参加しタイの歴史を祝うイベントが定期的に開催されています。また「世界のお料理フェア」といったKUの正規生・留学生が自国のお料理を出店するイベントなども実施されており、タイの歴史文化を実際に体験するだけでなく多国の文化についても学ぶことのできる機会が多くありました。🍀
     ライトアップされたKUの池にろうそくのついた沢山の「花の灯篭(ロイクラトン)」が流れる幻想的な風景や、就任式で「プーマライ」というお花のお守りを先生方に渡し皆で一緒に写真を撮ったり、感謝の気持ちを伝えられた際の温かい気持ちは今も鮮明に覚えています。🌸

    ●授業での乗り越え
     私が履修した授業の中には先生の講義がタイ語のものもあり、タイ語初心者の私にとっては授業内容やテスト内容を理解するだけでも毎回時間がかかりました。最初は予習やパワーポイントを見ている時点でも単語ごとの区切りはどこなのか、どの単語が何を表しているのかも理解できず、タイ文字を捉えていくだけでも精一杯になっていました。
     しかし授業内容で分からなかったことはその都度クラスの皆やチューターさん、先生に質問する、自分でいつでも見返せる手づくりのタイ語ノートを持ち歩く、また平日は23時まで使用できる寮のスタディルームを使用するなどの工夫を習慣化させ、得た学びを自分の中でも活かせるように努めました。
     その後2か月ほど経ったとき、最初は「ミミズの綴り」のように見えていたタイ語の羅列を少しずつ「単語のかたまり」として認識できるようになりました。また最後の期末テストでは各単語の役割や意味を理解し文章を組み立てることができるようにもなり、留学当初と比べて自分自身の成長を大きく感じることができました。
     TLFのクラスの皆は明るくて優しく毎日を一緒に楽しみながら支え合う存在で、素敵な仲間たちに出会えたからこそどんな時もより前向きに向き合うことができたと感じています。

    ●タイでの留学生活で得たこと
     現地の方々やカセサート大学で出会った人々との交流、タイの初めての地域や近隣諸国への旅行を通し、自分にない新たな価値観や発見を得ることができました。特に留学前よりも「楽観的」に物事を捉え、どんな時も「ありのままの自分」で自分の気持ちに素直に行動できるようになったように感じます。
     また現地の方々はどんな時も「マイペンライ(大丈夫、気にしすぎない)」の精神や「コップンカー/コップンクラップ(ありがとう)」の心を大切にしており、留学前までは繊細で深く受け止めてしまうことの多かった自分にとっては彼らと過ごす中で「あるがままに生きること」「今を楽しむこと」の大切さに気づくことができ、「ちょっとした小さなことにも幸せが潜んでいる」という素敵な考え方も心の中でより大切にするようになりました。

    ●派遣留学を志す方々へのメッセージ
     未知の環境や新たな物事への挑戦にはこれから始まることへの前向きな胸の高まりだけではなく、きっと不安な気持ちもついてくるかもしれません。そのような気持ちが大きくなったり何か挑戦したいけれど一歩踏み出すのが怖いとき、同時に芽生えていた小さなわくわくの気持ちをほんの少し優先させてあげたり、自分にできる小さなことから始めてみるだけでも求めている景色が徐々に目の前に見えてくるように感じます。🍀
     皆さんのちょっとした好奇心の積み重ねが少しずつ大きな実りにつながること、そして挑戦したいことが少しずつ実現していくことを心から応援しています。🌸