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私は4年次の10月から2月までの5ヶ月間、ドイツのレーゲンスブルク大学に派遣留学をしました。自分の経験をもとに、4年次での留学や留学期間を迷っている人、初習言語で選択していない言語の国への留学に興味がある人に届くといいなと思います。
【留学したいと決めるまで】
私は国際学類に入学した当時は留学や海外に行くことをあまり自分事としてとらえることができませんでした。留学は金銭的な負担がかかることだと考えていたからです。そんな私が派遣留学をすると決めたのは大学2年生の初めごろでした。留学することを決めている周りの友達や留学された学類の先輩方の話に影響されて自分も興味を持つようになりました。これまで海外に行ったことがなく、海外で半年から1年間生活している自分が想像できませんでしたが、ただ漠然と留学することに憧れがありました。それでも金銭面での不安があったので、留学の支援制度をたくさん調べました。すると金沢大学の留学支援制度や学外の奨学金もたくさん存在することがわかり、留学が自分にも実現可能なものだと思うようになりました。金銭面の不安が留学したい気持ちの障害になっている方がいたら、ぜひ様々な支援制度を調べたうえで検討してほしいです。
【留学先、留学時期、留学期間の決定について】
私は日本の移民問題に興味があったため、移民の受け入れや移民との共生に積極的な政策をとる国に留学し、学びたいと考えていました。最初は英語圏のオーストラリアの大学に1年間留学したかったのですが語学要件をクリアすることができなかったため、留学計画を考え直す必要がありました。その時点で3年次の11月だったため、留学をあきらめて4年間で卒業することも考えましたが、留学への心残りがあったため半年間でも英語圏以外でも留学を経験したいと考え直し、2次応募でドイツのレーゲンスブルク大学に希望を出しました。ドイツは移民の受け入れに積極的な国のひとつで、近年その政策の是非が問われている、移民問題に関して話題性の高い国でもあります。ドイツの大学は英語で開講されている科目も多く、私の派遣先大学にも英語で受講できる講義が多くありました。初習言語でドイツ語を選択している人の留学例が多かったので、ドイツ語未学習者の私が留学していいものかと不安もありましたが、言語のわからない国で生活する人の気持ちを実感できるのではないかととらえて留学先を決めました。
【ドイツ語がほとんどわからない状態でのドイツでの生活】
留学決定から留学開始までにドイツ語の基礎文法のみを駆け込みで学習してドイツ生活が始まりました。実際にどうだったのか。結論、生活する上では困ることはほとんどありませんでした。授業は英語で開講されるものを選択していたし、ほかの国の留学生とも英語で会話をしました。先生方や留学生オフィスの方も英語で対応していただけたので大学生活で困ることはほとんどありませんでした。他の国から来る留学生のドイツ語レベルは幅広く、私のように基礎文法レベルの留学生もいました。様々な理由を持ってドイツを留学先に選んだ学生たちと話をするのはいい刺激を受けることができ、自分のやる気につながるよい環境でした。ドイツ語ができたら現地の学生とももっと交流することができるのにと歯がゆさを感じたことは何度もありました。英語もつたない私には言語習得の中途半端さが自分の活動範囲を狭めているように感じることもありました。これはドイツに限らず、どの国に行っても経験する気持ちかなと思っています。現地の言葉が話せなくても生活をすることはできます。ですが、言語が使えることによって活動の幅が広がることや学習や生活する上での選択肢が多くなることは、身をもって実感しました。半年という留学期間は私にとっては短く感じられ、なれてきたころにその地を離れる寂しさや残念さがありました。しかしその間で学んだ多くのことを日本に持ち帰ることができたため、半年間でも意味のある留学期間だったと言えます。
【留学を終えて】
留学を終えて、留学をしてよかったと心から言うことができます。自分のなじみのない土地で生活してみること、この経験から得られる学びがたくさんあります。留学先の大学で学ぶことももちろん大事ですが、留学期間中の出会いや経験したトラブル、様々な違いの発見がこれまでの生活では得られないものだったと感じています。住み慣れた環境から離れることで気づく、あたりまえだったことのすばらしさやもっとこうなればいいのにという思いがあります。そしてこの留学によって私は生まれて初めて外国人として生活することができました。この外国人としてドイツで過ごした5ヶ月間の学びや気づきを、これから日本で生活する外国人住民の方のサポートや環境改善に活かしたいと考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。