アメリカ合衆国 イリノイカレッジ

2024年度 / 北米 <アメリカ合衆国>

掲載日:2025年9月3日

NEW イリノイカレッジ

T.M.

(人間社会学域 国際学類 4年)

体験報告

  • 1)留学先・留学時期
    2024年8月から2025年5月の約8か月間、アメリカのイリノイカレッジに留学しました。留学の目的は大きく二つありました。第一に、ビジネスシーンでも通用する語学力を身につけること。第二に、多様な人種・国籍・宗教を持つ人々と交流し、視野を広げることです。
    本来は3年次での留学を検討していましたが、体調不良により実現できず、5年での卒業を前提に4年次での留学となりました。そのため、就職活動を留学中に並行して行う必要がありました。もし可能であれば、3年次での留学を強くおすすめします。
    2)留学前の準備
     準備として取り組んだのは、語学スコアの取得、留学先大学への申請、予防接種、ビザの取得、航空券の購入などです。
    語学試験については、IELTSを出願年度の7月に初めて受験し、幸い一度で目標スコアを取得できました。ただし初回で要件を満たせるとは限らないため、複数回受験できるよう余裕を持って準備すると安心です。
    最も苦労したのはビザ取得でした。I-20が届き次第、速やかにビザ申請を開始すべきです。英文の財政証明書なども必要になるため、必要書類を事前に確認し、早めに準備を開始することをおすすめします。
     また、私立大学への留学だったため、費用負担を抑える目的で民間の留学奨学金に応募をしました。英米圏への留学は授業料を除いても多くの費用がかかるので、奨学金には積極的に応募してみると良いでしょう。
    3)留学中に取り組んで良かったこと
     留学中に取り組んで良かったことは大きく二つあります。
     一つ目は、大学のイベントに積極的に参加したことです。留学当初は思うように交友関係を築けませんでしたが、留学生による団体が主催するイベントに参加することで、自然と交友関係が広がりました。
     二つ目は、困ったときに現地のスタッフや学生を頼ったことです。日本に関心を持つ学生を紹介してもらったり、冬休みのホームステイ先を斡旋してもらったり、車を持つ学生に買い物や郵便局に連れて行ってもらったりすることもありました。悩みを相談することもあり、精神的な支えとなりました。現地の人を積極的に頼ることは、留学の目的達成や心の安定に大きく役立つと思います。
    4)留学中の苦労・それをどのように乗り越えたか
     留学中に苦労したことは様々ありますが、一番は学業と就職活動の両立です。授業に着いていくこと自体はそれほど難しくありませんでしたが、日本に比べて予習や課題が多く、内容も高度で準備に時間を要しました。その中で就職活動の時間を確保するのは大変でした。
    学業面は、オフィスアワーを活用し教授に相談することで解決しました。大学の学習支援など、利用できる制度は積極的に使うと良いです。
    就職活動についても、金沢大学のキャリア支援室や就活エージェントをオンラインで利用し、1人で抱え込まないようにしました。
    5)留学して良かったこと・成長したこと
     留学を通して得られたことは大きく三つあります。
     一つ目は語学力の向上です。特にリスニング能力とスピーキング能力の向上を実感しています。日本語を介さずに英語で思考・発話できる場面が増え、現地の人々の会話のテンポにも慣れることができました。
     二つ目は異文化理解です。アメリカの家族観や若者の自立、人種に対する考え方などに触れ、日本では得られない学びを経験しました。また、多様な人々と接する中で「真の異文化理解とは相手を一個人として尊重すること」という気づきを得られたことは、大きな成果でした。
     三つ目は度胸と自己効力感です。留学中に様々な挑戦の機会に恵まれ、とりわけ冬休み中のヨーロッパ旅行などを通して、1人で困難に直面しても臆さず対処する度胸と、「やればできる」という自己効力感を身につけられたことは、人生における財産だと思います。
    6)留学経験をどのように活かしていくか・進路について
     残りの学生生活では、引き続き留学生寮を中心とした留学生のサポートを行いたいと考えています。また、自身の留学経験の発信を通して留学を志す後輩の力になりたいです。
    進路について、物流業界の企業に就職予定です。生活の当たり前を支えることで社会貢献ができ、国際経験を少しでも活かせると考え、この業界を選びました。社会人になっても語学力や国際的な知見を業務に活かしていきたいです。
    7)留学を志す後輩へのメッセージ
     もし何らかの事情で留学を諦めかけている方がいるなら、どうかやる前に諦めないで、挑戦してみてほしいです。私自身、大学1・2年次に体調を崩し、高校時代からの夢であった留学を断念しかけました。しかし回復後に再挑戦し、様々なご支援をいただきながら実現できました。
     留学生活は決して楽しいことばかりではありませんでしたが、「留学して良かったか」と問われれば、迷わず「はい」と答えることができます。想像していた以上に充実した時間を過ごすことができました。少しでも「行きたい」と思うなら、勇気を出して一歩を踏み出してみてください。心から応援しています。