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私は2024年9月から2025年5月まで、フランスのオルレアン大学に語学留学をしていました。留学先にフランスを選んだ理由は、大学で初修外国語としてフランス語を学んでいたこと、そして多様性が進んでいると言われるフランスの社会や文化を、自分の目で見て体験したいと考えたからです。
留学の準備では、受け入れ先への書類提出、ビザ申請、入寮手続き、保険加入など、多くの手続きを行う必要がありました。多くの書類はフランス語(英語版もあり)で書かれており、フランス語に不安があった私は、翻訳しながら一つひとつ進めていきました。ただ、現地の担当者とメールでやり取りができたため、丁寧にサポートを受けながら準備を整えることができました。
特にフランスのビザ申請は複雑で、手続きの方法が変更されることもあるため、最新情報をよく確認してから大使館にビザ申請しに行ってください(私は書類を間違えてしまい二度も大使館に行くことになってしまいました)。私は出発前にDELF A2を取得しており、上級レベルではないものの、入寮やオリエンテーションなどの初期対応も何とか乗り越えることができました。このレベルでも、ある程度のフランス語力は備わっていると実感しました。
寮には価格帯の異なる部屋がありますが、私のおすすめは安い方の部屋です。部屋自体は狭く不便に感じることもありますが、各階に共用キッチンがあるため、他国やフランス人学生と自然に交流できる機会が増えます。大学へは徒歩で通学でき、交通手段としては主にトラムを利用します(バスも通っていますが、あまり使いませんでした)。私は、トラムで2駅の場所にあるスーパーでよく買い物をしていました。徒歩でも行ける距離です。
また、オルレアンからパリへはTERで約1時間。学生は週末であれば便によって無料、平日でも半額で往復チケットを購入できます。さらに、美術館なども学生証を提示すれば無料で入館できることが多いため、ぜひたくさん訪れてみてください。
授業は、開始前にクラス分けテスト(作文と会話)があります。前期は1クラス12人ほどで、大人の学習者が半数を占めていましたが、後期は教員の都合によりクラスが統合され、生徒数が倍になりました。授業内容は、筆記、会話、発音、フランスの文化や社会について学ぶ授業で、週12コマほどです。先生方は全員に発言の機会を均等に与えてくださり、たくさんフランス語を話すことができる充実した時間でした。
多様な国籍の学生が集まる環境の中で、異文化に触れる機会も多く、授業の合間に一緒にコーヒーを飲んだり、フランス語で会話をしたりと、楽しく交流することができました。どの先生も明るく優しく、たくさん褒めてくださるので、授業はとても楽しく、自信にもつながりました。学期中には無料の遠足もあり、参加すればフランス各地の文化にも触れられます。授業内テストが2〜3回あり、期末にはDELF形式の試験も行われました。
もちろん、言語の壁に悩み「本当にフランス語が上達しているのか」と不安になる時期もありました。しかし、先生方の励ましや、レストランなどで「フランス語上手ですね」と声をかけてくださる方との出会いが、自信とモチベーションにつながりました。
また、私はオルレアンに住む日本人の方々が主催する日本語教室に、毎週ボランティアとして参加していました。ここではフランス人と直接交流することができ、食事会やピクニックなどのイベントもあり、楽しい思い出がたくさんできました。
この語学留学を通して、多様な価値観の中で生活する経験ができ、自分のアイデンティティについて深く考えるきっかけとなりました。そして、「言語とは人とつながるための大切な手段」だと強く実感しました。母語で話すことで、より相手を理解できると感じたこの経験を糧に、将来は言語を生かして多くの人と向き合える仕事がしたいと考えるようになりました。
これから留学を控えている皆さんも、不安を抱えているかもしれません。私自身、留学先には一人で行ったため、出発前はとても不安でした。しかし、留学生活が終わる頃には「帰りたくない」「もっとここにいたい」と思えるほど、毎日が充実していました。そして、私が皆さんに伝えたいことは、「どんなことも楽しもう」ということです。慣れない環境ではトラブルも起こるかもしれませんが、それらすべてが自分の糧になります。深刻に考えすぎず、前向きに取り組んでみてください。全てをネガティブに捉えずに、むしろ気楽に捉えてみてください。留学生活は楽しんだ者勝ちです。皆さんの留学が、かけがえのない経験となることを願っています。
最後になりますが、留学を支えてくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。