ポーランド ワルシャワ大学

2024年度 / ヨーロッパ <ポーランド>

掲載日:2025年9月3日

NEW ワルシャワ大学

S.H

(人間社会学域 国際学類 3年)

体験報告

  • 留学先と留学時期
     私は、2024年の9月末から2025年の7月まで、ポーランドの首都ワルシャワに10か月間の留学をしました。国際社会は、西側中心の視点から語られることが多いと感じており、自分の知らない側面を見てみたいという思いから、東欧を志望しました。その中でもポーランドは、日本との歴史的なつながりが深いことに加え、ウクライナの隣国として地政学的にも重要な位置にあります。さらに過去に国を失った歴史を抱える国でもあるため、そのような背景を持つ国の人々が、現代の政治や移民問題をどのように捉えているのかについて、直接知りたいと考えたことが、ポーランドを選ぶ最終的な決め手となりました。

    留学前の準備
     ワルシャワ大学への留学に際しCEFR B2以上の語学力が求められたため、IELTSを受験しました。金沢でIELTS試験が実施される回数は少なく、受験できる機会が限られているので、余裕をもって計画的に受験するのがおすすめです。ビザに関しては、発行に費用はかかりませんが、インターネットから予約し、東京の大使館に直接訪問しなければなりません。また申請してから実際に発行されるまでに1週間ほど、混み具合によってはさらに時間を要するため、早めに準備に取り掛かったほうが安心です。また、留学先の情報収集にあたっては、インターネットや先輩方の留学レポートからだけでなく、ワルシャワ大学に留学された先輩から直接お話を聞きました。インターネットなどからでもある程度の情報は収集できますが、実際に留学された先輩からお話を聞くほうが自分の知りたい情報を聞くことができ、不安なく留学に行くことができると思います。

    大学生活について
     ワルシャワ大学では、主に政治系の授業を履修していました。授業はグループディスカッションやプレゼンテーション、エッセイなど、アウトプットが中心の授業形態でした。そのため、毎授業ごとにノートを復習したり文献を読み直したりと、事前準備にかなりの時間を費やしました。現地で授業を受けるなかで特に感じたのは、学生一人一人の知識の深さです。特に政治系の科目では、現地の学生や留学生が自身の国の政治や社会、またそれに対する自分の考え方や価値観を明確に持っていて、説明できる人がほとんどでした。自分自身の日本に対する知識と理解の浅さ、表現力不足を痛感しました。また一般科目に加え、ポーランド語の授業も履修していました。まったく馴染みのないポーランド語を英語で学ぶという経験は、難しいながらもとても興味深く、新鮮でした。日本ではめったに触れることのできない言語を現地で学ぶことができたことは、貴重な経験になったと感じます。

    暮らしについて
     ポーランドは非常に暮らしやすく、過ごしやすい街でした。ほかのヨーロッパ圏に比べると圧倒的に治安がよく、日本と同じような感覚で生活することができます。基本的に若い世代の人は英語が問題なく通じますが、お年寄り世代は英語が通じない方も多く、スーパーやコンビニなどで意思疎通を図ることが難しい場面が多々ありました。しかし、言葉が通じなくても何とかコミュニケーションをとろうと気遣ってくれる方がほとんどだったので、ポーランドの方々の優しさに触れる機会も沢山ありました。
     大学から指定された寮の部屋は二人部屋で、私のルームメイトは偶然日本人でした。同じ寮内の人達とパーティーをしたり、ゲームをして遊んだりと学校生活以外の時間も楽しく過ごすことができました。また、ワルシャワ大学の留学生支援団体(ESN)が毎週のようにイベントを開催していたので、新しい友達を作るための機会として、何度か参加しました。

    留学を終えて
     留学中、特に印象的だったのは、日本や日本人に対して好意的な人が多かったことです。日本人にとってポーランドは少しマイナーな国かもしれませんが、歴史的な関係からポーランド人と日本人が友好的であることに、誇りを感じる瞬間が何度もありました。
     私は新しいことに挑戦することに消極的で、留学を決断する際も不安とためらいがありました。しかし異なる背景を持つ人たちとの交流を通し、自分の価値観や考え方が大きく広げることができました。学問的なことだけではなく、日々の生活からも多くを学ぶことができ、挑戦してよかったと心から思います。

    後輩へのメッセージ
     学生の間に他国で生活をすることは本当に価値があり、貴重な機会となります。不安や困難もあるかもしれませんが、きっと後から振り返れば、「挑戦してよかった、頑張った」と胸を張れるような、濃密で大切な時間になるはずです。海外生活は、今まで出会ったことのない人や景色に出会うことができるだけでなく、新しい自分にも出会える機会だと感じています。留学できるチャンスがあるのなら、ぜひ挑戦してほしいです。絶対に後悔しません!その一歩踏み出す挑戦と経験が、皆さんの人生を豊かに彩ることでしょう。