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1. 留学の動機と留学先の決め手
私は中学生の頃から海外での生活に興味があり、ヨーロッパの移民政策や平和構築などについて学びを深めたいと思いポーランドを留学先に選びました。ポーランドはウクライナからの避難民受け入れをしている一方で移民政策に関してEUと対立する側面が見られる点や、ワルシャワ蜂起やアウシュビッツ強制収容所などの戦争に関する悲しい歴史がある点などから、実際にポーランドの地で学びリアルを知ることで深い学びを得られるだろうと確信し、ポーランドで学ぶことを決断しました。
2. 留学前の準備
まず、ビザに関しては、学生ビザを申請します。ビザの申請には予約が必要であり、予約はオンラインで行います。そして、学生ビザの申請には入学許可証が必要なのですが、入学許可証の申請から発行して送ってもらうまでにかなり時間がかかるため、許可証が届くまでは待つしかありません。ポーランドの場合は、ビザ申請から発行までにかかる時間は他国と比べると短いのではないかと思いますが、入学許可証が届いたらなるべく早く大使館の予約をとった方が良いです。また、ビザの申請に必要な書類は入学許可証以外にもたくさんあるため、自分で何が必要かを調べて、なるべく早く必要なものを準備することを心掛けてください。中には、親の署名付きの同意書や在職証明書など、特に一人暮らしの方には準備に時間がかかるものもあるため、入学許可証を待っている間に準備できるものは早く準備することを心掛けた方が良いです。
滞在先に関しては、ワルシャワ大学の学生寮が安くておすすめです。一般的なアパートに住む場合、ワルシャワの家賃は本当に高いので、生活費だけでもかなりお金がかかってしまいますが、寮に住む場合は、家賃が約2万円前後と本当に安いので、入学許可証申請時に寮の申請もすることを強くおすすめします。
3. 留学中の苦労
ポーランドで最も苦労したのが体調管理です。日本よりも気温が低く、寒暖差があり、さらに乾燥もしているため、毎月1回は風邪をひいていました。風邪対策のために蜂蜜や果物をなるべく多く摂取することを心掛け、日本から持ってきた貴重な薬を摂取しすぎないようにしていました。また、冬の日照時間がかなり短いことにより、眠気を感じることが多かったため、ポーランド人の友人におすすめしてもらったビタミンDのサプリメントを摂取していました。
4. ポーランドならではの体験
ポーランドならではの体験として何よりもまず思い浮かぶのがショパンコンサートです。ポーランドはショパンが生まれた国であり、空港の名前にショパンが使われるほどショパンが愛されています。毎年5月から9月の間にはワルシャワのワジェンキ公園にある大きなショパン像の下で、毎週日曜日に大きなグランドピアノが置かれ、プロのピアニストによるオールショパンプログラムを無料で楽しむことができます。青空の下でレジャーシートを広げ、ショパンの曲をプロのピアニストたちによる生演奏で楽しむことができる機会はポーランドならではだと思います。ワジェンキ公園の他にも、ワルシャワ旧市街の中にはミニホールがたくさんあり、有料ですがショパンのコンサートが毎晩開催されています。このように、ショパンはポーランド人にとって生活の一部のようなものになっています。
また、ポーランドで体験できるのは華やかな歴史文化だけではありません。ワルシャワから電車で約2時間、クラクフからバスでさらに約1~2時間のところに、アウシュビッツ強制収容所があります。そこでは数々の生々しい史料、ユダヤ人の大量虐殺について深い学びを得ることができ、忘れられない、忘れてはならない経験をすることができます。日本に帰ってきた今でも、アウシュビッツ強制収容所で見たものを思い出すと胸が痛く、悲しみがこみ上げてきます。このような平和学習もポーランドならではの経験ではないでしょうか。
5. 後輩へのメッセージ
やらない後悔よりやって後悔、死ぬこと以外はかすり傷、この二つが私の原動力になっています。そして、留学に行って後悔したことは少しもなく、色々とトラブルはありましたがこうして生きて日本に帰ることができています。決断には不安や葛藤がつきものですが、決断した先には、これまでの自分では想像もできなかったような素晴らしい景色があります。その景色を、ぜひ多くの人に見てもらいたいです。少しでも海外留学に興味があるのであれば、まずは色々と調べてみてください。応援しています。